墓石が風化する原因は?風化したときの対処法もあわせてご紹介します

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墓石が風化する原因は?風化したときの対処法もあわせてご紹介します

めでたく新しいお墓を建てたとしても、お墓も墓石でできているため、年月とともに古くなっていきます。そして、気が付いたときには風化していたという実に残念なことになる場合も少なくありません。本記事では、墓石の風化の原因を見るとともに、対処法についてもご紹介いたします。

墓石が風化する原因

お墓は人が作ったものである以上、墓石の風化は必ずどこかの段階で起こる可能性があります。

そこでまず、墓石の風化が発生する原因について見ていきましょう。

エフロレッセンス(白華)によるもの

墓石の風化が発生する原因として多く見られるのが、エフロレッセンスやサブフロレッセンスです。

エフロレッセンスとは

エフロレッセンスとは、お墓などに白い汚れが付着する現象のことで、白華(はっか)現象とも呼ばれる状態です。

エフロレッセンスが発生する原因として、墓石に使われているモルタルやコンクリートに雨などの水分がしみ込み、蒸発した際に表面に白い塊として出てくることが挙げられます。

エフロレッセンスは主に寒くてじめじめするような気候の地方ほど発生しやすいのが特徴です。

また、たとえ暖かい地方であってもお墓が日が当たらず湿気が溜まりやすい場所でも起こりやすい特徴があります。

特に関東地方でよく見られる、全面石張りタイプのお墓ほど発生のリスクが高いです。

サブフロレッセンスとは

エフロレッセンスと非常によく似た風化に至る症状にサブフロレッセンスというものもあります。

字面から見て、頭に「サブ」とついていることから、エフロレッセンスに比べると大したことがないように見えますが、実はエフロレッセンス以上に重大な症状です。

先ほど見たエフロレッセンスの場合は、まだ墓石の表面に白い塊が浮き出してくる段階で収まっています。

しかし、エフロレッセンスの症状が進行して、墓石の表面だけではなく内部にまで症状が及んだ場合がサブロフロレッセンスです。

より具体的には、墓石の内部で結晶化したエフロレッセンスが発生することで、内部から墓石がぼろぼろになっていくというもので、ここまでくると単なる汚れから本格的な風化の段階といえます。

石材の種類によるもの

墓石の風化の原因として次に考えられるものに、墓石に使われている石材の種類が挙げられます。

基本的にお墓を建てる際に使われる石材には国産のものと海外産のものがありますが、石材の産地の違いは風化への耐久力にも関係が深いです。

国産の墓石

お墓を建てる際の石材に国産の墓石を使うという方も多いでしょう。

一般的に国産の墓石は値は張るものの、その分非常に耐久力があり風化にも強いことで定評があります。

特にお墓によく使われる御影石は結晶が密接に結びついているという点で、非常に耐久力に優れているうえ、水分の吸水率も低いです。

だからこそ、そう簡単にエフロレッセンスやサブフロレッセンスが発生しにくいといえるでしょう。

中国産の墓石

近年では、お墓のコストをなるべく安く抑えたいということで、中国産の墓石が使われる場合も増えてきています。

「中国産」と聞くと安い反面、品質がよくないイメージがありますが、実は中国産の墓石も今では国産の墓石にも劣らないほどの耐久力を備えており、そのため風化にも強いです。

ただし、中国産の石材が墓石として使用されてからまだ20年程度しか経っていないことから、どれほど風化に強いのかについては正確にはわかりません。

このため、長期的な耐久力について明らかになるのはまだまだこれからといえるでしょう。

1つだけ参考材料を提示しておきますと、国産の御影石は6千万年前以降のものが使われているのに対し、中国産の場合は1億年以上前のものが使われていることが多いです。

その点では国産のほうが年数が若い分、内部の結晶の結びつきが密で風化にも耐えられるといえます。

大理石を利用している

お墓を建てた方の中には墓石として御影石ではなく、大理石の石材を使用している場合もあるでしょうが、残念ながら大理石を使用している場合は風化が目立ちます

大理石は石灰岩でできているために加工しやすい一方で、吸水率は御影石以上に高く、結果的に風化に耐えられない特徴があります。

環境によるもの

お墓が風化する原因には、お墓の建てられている環境も挙げられます。

具体的には、お墓が沿岸部にある場合や土と面している場合、お墓の近くに水が溜まりやすい場合などです。

海に近い

海に近い場所にお墓が建っている場合は、海風にさらされやすいことから風化しやすいといえます。

特に、日本のお墓に多く使われている御影石の場合は、内部の鉄分が海風などに含まれる塩分と化学反応を起こしてサビが発生してしまいがちです。

石材内部でのサビが発生すると、劣化が内部で進行しだします。

より深刻な場合はポップアウトと呼ばれる、内部にできたサビが膨張して石材の表面を吹き飛ばす現象が発生し、墓石そのものを破損させてしまいかねません。

お墓が土と面している

また、お墓そのものが直接土と面している場合も風化の原因となりやすいです。

土の中にはバクテリアや化学物質といった有機物が多く含まれているうえ、御影石の場合はところどころに微孔と呼ばれる非常に小さい穴があることから、水分の入口になりがちといえます。

先ほども見たように、石材に水が浸入することが風化の直接の原因です。

このため、お墓の墓石が直接土と接している場合、墓石の風化が進む原因になりやすいといえるでしょう。

お墓の付近に水が溜まりやすい

お墓の付近がやたらと水が溜まりやすい場所となっている場合も注意が必要です。

水が溜まりやすい場所とは、言い換えれば水はけが非常に悪く、常に湿気がある場所に位置しているため、なおさら石材が劣化するリスクにさらされやるいことを意味しています。

特に関東に多く見られる、カロート(骨壷を納骨するためのスペース)が地下にあるタイプのお墓の場合、水が溜まりやすい場所ではカロートの中まで湿気が溜まりやすい傾向にあります。

その場合、石材が劣化しやすいだけではなく、内部に納骨してあるご遺骨にも悪影響が及ぶ場合が多いです。

墓石を風化させないためには

風化に強い墓石を選ぶ

墓石を風化から守る方法として、まずお墓を建てる段階で風化に強い種類の墓石を選ぶというものがあります。

風化作用に強くなおかつ磨くと光沢が出る石材としては、花崗岩、安山岩、閃緑岩(せんりょくがん)、斑糲岩(はんれいがん)などが有名です。

なお、お墓関係でよく耳にする御影石(みかげいし)とは花崗岩の総称のことを指します。

以下の項目でそれぞれの石材の詳しい特徴について見ていきましょう。

  • 花崗岩・御影石
    お墓の石材によく使われることで有名な石材で、火山に溜まっているマグマがゆっくりと冷えてできるもの(深成岩)の一種です。
    風化に非常に強い石英を主成分としていることから、風化に対して耐久力があります。
  • 安山岩
    火山の噴火で噴出したマグマが急激に冷えてできる石材です。
    マグマが急激に冷えて形成されたため、普通の石に比べると硬度があり、雨や紫外線、外気の影響を受けにくい特徴があります。
  • 閃緑岩
    花崗岩と同じ深成岩の1つに数えられる石材です。
    硬度が非常に硬く、その分風化に十分耐えられるという特徴を持っています。
    国内では非常に産出量が少ないため、高級石材として重宝されている種類です。
  • 斑糲岩
    花崗岩や閃緑岩と同じ深成岩の一種です。
    こちらも閃緑岩と同じように硬度が非常に硬い特徴があります。
    同時に閃緑岩と同じように国内での産出量が少ないため、一般には黒御影石として高級石材として利用されている種類です。

風化しにくい墓所を選ぶ

風化に強い種類の石材を選ぶだけでは、墓石を風化から守る方法としては不十分です。

そこで、風化しにくい場所にお墓を建てることが重要となってきます。

先ほども見たように、墓石が風化する原因には環境も大きな要因の1つです。

このため、お墓を建てる際には海から離れている場所であることや、水が溜まりにくい場所であること、そして建てる際に墓石が土に接していないことが風化を防ぐうえで重要といえるでしょう。

定期的に掃除をする

墓石を風化させないために重要なポイントとして、墓石に付着した汚れを放置しないことが大切です。

そのため、お墓参りなどの機会に定期的にお墓の掃除をすることが重要といえます。

ただし、洗剤などを利用した場合は、墓石を傷つけるなどかえって逆効果になることがありますので、水洗いをするのが最も無難な方法です。

なお、水洗いの際にはたわしではなく、柔らかい布やスポンジに水を浸して拭くようにします。

墓石の風化は直すべきか

もしも、墓石の風化が目立ってきた場合、多くの方が直そうという気持ちになってくるでしょう。

しかし、実は墓石の風化には直したほうがよい場合と、直さなくてもよい場合とがあります。

この項目では、墓石の風化で直したほうがよい場合と、直さなくてもよい場合について詳しく見ていきましょう。

直したほうがよい場合

墓石の風化の中でも、エフロレッセンスやサブフロレッセンスによる風化は直したほうがよい場合の代表例といえます。

というのは、エフロレッセンスの段階ですでに墓石の表面に白い塊が浮き出ていて、見た目の点からしてもよくないためです。

特にサブフロレッセンスの場合は、外面だけではなく内面にまで深刻な劣化が進んでいるという状態ですので、なるべく早く石材店に依頼するなど手を打つ必要があるといえます。

お墓が保証期間中の場合はなおさら早めに石材店に依頼すれば、比較的安く修繕してもらうことができるでしょう。

直さなくてもよい場合

一方、月日が経つにつれてできた風化の場合は、逆にその風化がお墓らしさや風情を感じることができます。

具体的には、見た目が汚れなどでくすんで見えている場合などです。

もし、経年劣化による風化が特に気にならない場合やそのままにしておきたい場合は直す必要はありません。

ただし、お墓参りの際の掃除はきちんとやっておくようにしましょう。

墓石の風化を直す方法とは

墓石の風化を直す場合、具体的にはどのような方法が挙げられるのでしょうか。

ここでは、墓石を直すためにとられる方法として、お墓の磨き直しやお墓の一部の交換、お墓の建て直しについてご紹介していきます。

お墓を磨き直す

お墓の風化を直す方法として最初に挙げられるものに、お墓の磨き直しが挙げられます。

お墓の磨き直しとは、具体的には長年の風化の影響で失われたお墓の光沢を取り戻すための作業のことです。

詳しい方法として、一度墓石をすべて解体して石材店の工場に運び、それぞれの墓石を一面ずつ綺麗に磨き上げるという方法がとられます。

研磨用の機械を用いることから、磨き直した後は建てたばかりの頃の美しい光沢が戻ってくる一方で、墓石が一回り小さくなるということはあらかじめ理解する必要があるでしょう。

なお磨き直しの費用は30万円ほどかかり、時期も1ヶ月ほどの期間が必要ですが、墓石の解体を行う関係上、閉眼供養も行うことになります。

そのため、作業の費用のほか僧侶の方へのお布施も必要です。

ちなみに、磨き直し後の再設置の際にも開眼供養や納骨法要を行うことになります。

もし、磨き直しの作業中に新たにサビや劣化が見つかった場合は、追加の作業期間や費用が発生する場合もあります。

お墓の一部を交換する

風化のためにお墓の一部が欠けるなど、磨き直しをするだけでは解決しない状態の場合、お墓の一部の墓石を交換するという方法がとられます。

特に、お墓の中で最も高くそびえる棹石(さおいし)が欠けなどの原因で傾いている状態となると、見映えや安全の面から考えていよいよ交換が必要です。

棹石に限らず一部の交換ということであれば、全体的に立て直す場合に比べれば費用面でも工期の面でもそれほど負担は大きいものにはなりません。

しかし、どの部分を交換するにせよ、一部を解体することに変わりはないため、前もって僧侶の方に閉眼供養を依頼する必要はあります。

こちらの場合も、交換後はあらためて開眼供養や納骨法要を行うことが必要です。

お墓を建て直す

お墓の風化が非常に深刻で、一部交換する程度で収まらない場合はお墓そのものの建て直しをすることになってきます。

お墓そのものを改めて建てるということにも等しいため、石材店に依頼するほか、事前にご家族やご親族との綿密な話し合いや、僧侶の方への閉眼供養や開眼供養などの依頼も必要です。

風化した墓石の文字の読みかた

お墓といえば、宗派や眠っている故人の価値観などにもよりますが、「〇〇家先祖代々之墓」などのようにさまざまな文字が彫られている場合が非常に多いです。

そして、お墓に彫られている文字もまた墓石の風化が原因で、非常に読みづらくなる場合があります。

もし、風化が原因でお墓の文字が読みづらくなった場合は、どのような対処法をとればよいのでしょうか。

拓本を取る

墓石の読みづらくなった文字を読み取るための方法としてまず挙げられるのが、拓本を取るというものです。

拓本とは、石や木などに紙を当てたうえで墨を使って、彫られた文字を写し取るための道具で、特に考古学などで非常に古いお墓や碑文に彫られた文字を解読する際に使われます。

具体的な方法としては、まず墓石に付いた余計なほこりなどを取り除いたうえで、画仙紙を当てて霧吹きなどを使って水で濡らし、タンポを使って画仙紙に墨を塗っていくというものです。

この方法を使うことで、白く浮き出た部分が実際に彫られている文字として浮き出てくるため、読み取りやすくなります。

チョークの粉を使う

もし、拓本を使うことが面倒に感じられたり、墨を塗ることであまり手を汚したくなかったりする場合は、チョークの粉を振りかけるという方法もおすすめです。

文字の部分がくぼみとなっていることから、そのくぼみの部分にチョークの粉が入ることで、自然と読みやすくなります。

ちなみにチョークの後始末については、雨が降ることで自然とチョークの粉が落ちるため、心配する必要はありません。

カメラを使う

より手軽な方法として、カメラを使うという方法もあります。

デジタルカメラやスマートフォンなどのカメラを使って文字の部分を撮影し、その後でパソコンにインストールされている画像編集ソフトを使う方法です。

この方法で色調をはっきりさせるなど、文字部分をくっきりと浮かび上がらせることで、浮かび上がってきた文字を読み取ることができます。

まとめ

今回の内容をまとめると、以下の通りです。

  • 墓石が風化する原因には、墓石に水分がしみ込むことで発生するエフロレッセンス(白華現象)やサブフロレッセンスによるものが挙げられる
  • 墓石を風化させないためにとることのできる方法として、墓石の石材に風化しにくい種類のものを選ぶ、風化しにくい場所を選ぶ、定期的な掃除が挙げられる
  • 墓石の風化を直すべきかどうかについては、風化の原因により異なる
  • 墓石の風化を直すための主な方法として、お墓の磨き直しや墓石の一部交換、墓石の全面的な立て直しが挙げられる
  • 墓石の風化によって、彫られている文字が読みにくくなった場合は、拓本を取る方法やチョークの粉を吹きかける方法、カメラで撮影した後に専用ソフトで読む方法がある

墓石が風化してしまったときの対処法として、風化に耐えられるような石材(花崗岩や安山岩など)を選んだり、海から離れている場所などにお墓を建てるといった方法があります。

また、実際に直す場合は磨き直しや一部または全面的な墓石の交換が効果的といえるでしょう。



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